クリスマス前の普通の日にもらった500円のハンカチ

ライターのタチバナリリコです。あなたには、高価じゃないけれど捨てられない、特別なものってありますか?私の場合、こちらのハンカチがちょっと特別です。

なぜ特別なのか、このハンカチにまつわるささやかなエピソードをお伝えしたいと思います。

ささやかだけど忘れられない、ある冬のハンカチにまつわる思い出

それは10年以上前の12月のこと。

世間がクリスマスを控えている中、私は高校時代の女友達と会う約束をしていました。その女友達は親友というわけではないけれど、高校を卒業後も年に一度くらいは会って近況報告をする仲。

食事をする予定にしていたお店に到着し注文をすませると、友人が突然「はい、これ」と言って、かわいい袋を手渡してくれたのです。きれいにラッピングがしてあるので、何やらギフトのよう。

けれど、その日は特別なイベントもない普通の日。「なになに?もらっていいの?」とびっくりしている私に、友人は「もうすぐクリスマスだから」と答えたのでした。

ワクワクしながらかわいい袋を開けてみると、そこには一枚のハンカチが。

そのハンカチは有名ブランドのものではなく、高価というわけでもありません。ふと立ち寄った雑貨屋さんに売っていそうな至って普通のハンカチです。ちょっと下世話だけど、お値段にしたら5、600円程度かな?というくらいの。

でも、ハンカチを手にした瞬間、一度にたくさんの感情が押し寄せました。
その日、プレゼントをもらうかもなんて、全く考えていなかったからです。

驚きとうれしさ、ほっこりする気持ちを感じながら、私は友人に、何度も「ありがとう」を伝えました。これがクリスマス当日では、ここまでうれしくなかったかも知れない。何でもない日なのにプレゼントをもらったうれしさと、簡単なものでもクリスマスプレゼントを贈ろうと考えてくれた友人の気持ちが合わさり、相乗効果となったのでしょう。

かくして私は、500円のプレゼントには「普通の日を特別な日に変えてくれる力がある」ことを知ったのでした。

ちなみに、10年経った今でもそのハンカチは活躍中。私の中では「子どもと公園に行くときに使う」と決めています。公園で手を洗うたびに、ハンカチをもらった日のことを思い出している次第です。

ささやかなギフトに。Pocchi

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なぜ500円のプレゼントがあんなにうれしかったのか、分析してみる

女友達から突然もらった500円のプレゼント。いま改めて分析をしてみると、500円という価格だったからこそ、素直に驚き、素直に喜べたのかな、と思います。

「特別じゃない日」のプレゼントには500円という値段が秀逸だと思ったワケ

ちょっと考えてみてください。何かのお返しや特別な日でもないのに、3000円というそこそこのお値段のプレゼントを急にもらったら、あなたならどう感じるでしょうか。
私なら「うれしい!けれど、3000円もする物をもらって悪いな」「何かお返ししなきゃ、何にしよう?」と、余計なことを考えてしまうと思うのです。

さらにそれが、好みに合わないものだったら「もらっちゃったけど、どうしよう」という気持ちが先行してしまうはず。

でも500円という価格なら ・気を遣わない ・お返しをしやすい ・好みに合わないものでも、罪悪感がすくない という心理状態になるため、邪念なしに感情が動き、強く記憶に残るったのだと思います。

今度友人に会うとき、あなたも500円~1000円のプレゼントを渡してみませんか。最高の笑顔が見られるかもしれませんよ。

贈り物は、感動の記憶をいつまでも残してくれる

プレゼントを手にとると、あの日が鮮明に思い出せるという事実

女友達からハンカチをもらった日から10年以上がたち、私はその間に結婚、出産、子育てを経験して、ものすごく濃い日々を送ってきました。
それでも「女友達と食事に行った」という何気ない一日が忘れられないのは、プレゼントのおかげだと思っています。

ハンカチをもらった日のことは、今でも鮮明に思い出せます。
女友達が「ここのチャイはおいしいよ」と教えてくれて、初めてチャイを飲んだこと(本当にすごくおいしかった!)。
私が着ていたカーディガンを「かわいいね」と女友達が褒めてくれたこと。そんな些細なことまで覚えているのです。

ハンカチを使うたび、あの日の記憶がつなぎとめられ、今に至ります。ハンカチがなければ「女友達との食事」という思い出は、忙しい毎日に埋もれてしまったことでしょう。手に取るたび良い思い出がよみがえって、人生って悪くないなっていう気分になれますよ(大げさではなく)。

プレゼントを贈る、頂く行為は「体験」・「記憶」として残る

最近、最小限の物で生活するスタイルの「ミニマリスト」になる人、憧れる人が増えてきました。物の充実よりも「体験」にお金をかけるべきだ、という世の中の風潮も強くなっていると感じます。

私も古くなったと判断した物はスパッと捨てるタイプだし、宝石を買うよりもそのお金で旅行へ出かけたいと考えるタチ。だから、今の世の中の流れには共感するところが多いです。

でも、女友達にもらったハンカチは捨てられない。もう10年以上使っているものだし、新しくハンカチをもらう機会もあったから、私のセオリーではとっくに捨てるべきハンカチなのに。

なぜ捨てられないのか?と考えると、ハンカチに記憶が宿っているからだという答えに行き着きました。

プレゼントを贈る、もらうという行為は、単純な見方をすればただの物のやりとりです。けれどそこには必ず「感情の動き」が伴う。だから、私のように忘れられない体験へと昇華するのだと思います。

考えてみれば断捨離をする中で古いものであっても、誰かからの贈り物は「どうしても捨てられない」という気持ちになることがあるかもしれません。記憶と感情が宿ったものは手放しにくいものなのです。そんな気持ち、すてきだと思いませんか?

体験も贈り物にできるペアウォッチ

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私はmeechooで、ペアウォッチを作れるサービスがあることを知りました。作るところから体験ができるプレゼント。体験と物を一緒にプレゼントすることだってできるのだな、と目からウロコが落ちました。

渡して幸せ、渡されて幸せ、それがプレゼント

女友達からハンカチのプレゼントをもらってから数年が経ったころ、ふと思い立って母にクリスマスプレゼントを贈ったことがあります。

母にサプライズで1000円のギフトを贈ったら大喜びしてくれた

その年は私の2人目の子どもが生まれたばかりで、てんてこ舞いの日々。何かと実家にお世話になることが多い年でした。
そこで、それまでクリスマスにプレゼントなんて贈ったことはなかったけれど、「いつもありがとう」の思いを込めて、ルームソックスを2足プレゼントすることに。 値段にして1000円ほどの、ささやかなギフトです。けれど私には、母は必ず喜んでくれるという自信がありました。なぜなら、私自身が同じ経験をしたことがあるから。そう、最初にお話しした女友達にハンカチのプレゼントをサプライズでもらった経験です。

私の予想通り、プレゼントを受け取った母は、喜びを全開にして何度も「ありがとう」と感謝を伝えてくれました。その姿を見て、渡してよかったなと私もうれしくなったことを覚えています。
プレゼントを贈る側も贈られる側も幸せになれること。10年前のあの日にハンカチを贈ってくれた女友達は、その幸せを知っていたのかもしれません。だからきっと、私にプレゼントをくれたのでしょう。

ちょっとしたお礼ギフトにおすすめ

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ふと思い立ったときにプレゼントを贈ってみませんか?

「もうすぐクリスマスだな」
「最近お世話になっているな」
「この前ご飯をおごってもらったけど、お返しができていないな」

そんなとき、あなたもさりげなくプレゼントを贈ってみませんか?何も大きな金額でなくていいのです。むしろ500~1000円くらいのささやかなプレゼントの方が、相手も気を遣うことなく心から喜んでくれるはず。予期していないときにギフトをもらうというサプライズ要素が、何よりも贈り物になりますよ。

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この記事を書いた人

Webライター
タチバナリリコ

エステティシャン、OLを経て現在はwebライターとして活動中。2児の母でもあります。ピアノ、スポーツ観戦、読書など趣味が多岐にわたり、いつも時間が足りないのが悩みです。【ブログ】https://orange100ekko.com/