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これは、高校3年生の時のお誕生日のエピソードです。
その日は、学校の模試の日でした。 当時、私には好きな男の子「Yくん」がいました。
高校1年生、Yくんに初めて出会った当初、高飛車で、かつ、お調子者だったYくん の事が苦手でした。
その後も、気持ちは変わらず、できるだけ関わらずに過ごしながら、学校生活も残すところ1年に。
なぜか3年生になった途端、座席が前後になったり、係が同じになったり、移動教室の席までもが隣になったり、放課後の本屋さんでたまたま居合わせ、同じ本を手に取ろうとしたり… Yくん と会う頻度や、一緒に居る機会が突然、多くなり出しました。
苦手意識をもっていた彼。最初の頃は 内心「最悪だ…」と思っていました。
しかし、関わる機会が増えた事で、自然とYくん への興味が湧き、徐々に彼が普段、みんなに見せている明るいキャラクターに隠れていた、Yくん の本当の魅力が見えてきました。
Yくん は、おばあちゃん子の優しい人。 Yくん は、友達の小さな変化にも気付いてくれてくれる人。Yくん は、頑張り屋さん。
Yくん が、高飛車でお調子者の明るいキャラクターを表に出しているのは、自分の「弱さ」を見せないため。
Yくん の強さ、弱さ、優しさ… 素敵な側面を1つ1つ発見する度に、Yくん の事がどんどん好きになっていきました。
Yくん への気持ちが高まっていく中で迎えた、誕生日。
模試を開始する前に、仲の良かった模試担当の先生が、教室で、 「そういえば今日こっちちゃんは、誕生日だったよね。」 とみんなの前で話しました。
すると、私の親友が、 「そうなんだよ、先生!みんなで、こっちのために、ハッピーバースデー歌おうよ!」 と言い出しました。 クラスの仲は良い方でしたが、他のクラスメイトは少し戸惑っている様子でした。
そんな顔などお構いなしに親友と先生は「せーの!」と声をかけました。 親友と先生の気持ちは嬉しいかったのですが、みんな歌うはずもない…から恥ずかしい…と思って、下を向いていると…
「ハッピーバースデーー、トゥーユー!ハッピーバースデー、トゥーユー!ハッピーバースデェーーー、ディアこっちさーーーん!」 と後ろの席から、わざと野太く、大きな声で、おちゃらけながら歌う、男の子の声が聞こえて来ました。 好きなYくん の歌声でした。
Yくん が楽しそうに歌ってくれたので、その場にいたクラスメイトもクスクス笑い出し、「なにやってんだよ〜(笑)」というツッコミも交じりながら、教室は和やかな雰囲気になりました。
その後、ドキドキと鼓動が大きく鳴るのを必死に抑えながら、嬉しい気持ちで模試を受けました。
今も誕生日になると、Yくん の歌声を思い出します。