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20代でまさかの病

私は25歳の時、思いもよらぬ病に冒された。それも…

きっかけはハッキリと分からないのだが、ある時から徐々に左右の肩が痛むようになり、気付けば6割ぐらいしか肩が上がらなくなってしまった。整形外科に行ったところ『両肩関節周囲炎』(いわゆる四十肩)と診断され「え!?まだ20代なのに!?」と大変驚いた。そして四十肩はオシャレ盛りの20代には困った病気だった…

私はこんなダサい毎日に嫌気が差し、早く治すべく整形外科に通いつつも整体や鍼治療にも積極的に通ったのだが、改善に向かうことなくゆっくりと悪化していった。

完治した暁には大吟醸に「健康バンザイ」の文字を入れて自分自身に送りたい。

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青森の神様

私が生まれ育った青森県では、不思議な力を使って悩み事を聞いてくれる「神様」と呼ばれる人達が各所に存在している。私も神様を知ったのは大人になってからなので、青森の中でも「知る人ぞ知る」存在だ。

知るきっかけとなったのは母の話だった。

あまりの衝撃的な話にゾッとした私は、気付いたら母に「おじさんはどうなったの?」と聞いていた。母から返ってきた言葉は理解に苦しむものだった。

「神様にみてもらって治ったよ」

私の中で神様というのは、神社に祀られている実体のない存在だったのでピンと来なかった。あまりにも分からなかった為「神様ってなに?」と尋ねたところ「いわゆる、見える人の事だよ」と言われた。霊感というものだろうか…?

その時から私は神様に興味を持つようになった。

ちなみに私は犬より牛の肉が好きだ。

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百発百中!?神様の言葉

その話を聞いた後、地元の友人と会う機会があったので神様の話をしてみた所…

予想外の答えが返ってきた。

友人の妹は色んな神様に会いに行っているらしく、友人は妹が体験した神様の話を教えてくれた。

もちろん神様は友人の家に行ったことも無ければ、持ち主すら忘れていたアルバムの存在など知る由もない。とても不思議な体験だったそうだ。

そのとき私は四十肩の件で注射や投薬、電気治療を続けたが一向に良くならず「もう治らないのでは?」と悩んでいるところだったので、友人から神様の連絡先を聞いて行ってみる事にした。

恐るべき神のちから

神様は私の実家から離れた場所にて美容院を営んでおり、美容院の傍ら神様として悩み相談をしているらしい。公共の交通機関が通ってない場所だったので、母に「友人のオススメの美容院で髪を切ってもらう」と嘘を付き車で送ってもらう事にした。

着いたとたん母は無言で本当に行くの?という視線を投げてきたが、私は気付かないふりをして「終わったらまた連絡するね」と車を降りた。

この時私は今まで感じたことの無い不安で心がいっぱいだった。というのも、友人曰く神様は余命を言い当てる事があるらしく「もし今回で自分の寿命を告げられたりしたら…しかもそれが数年以内だったら…。」と考えると気が気でなかったのだ。物々しい佇まいの美容院を前に、強過ぎる臆病風が私を吹き付けてくる。

私は数分悩んだ末、恐る恐るドアを開けた。

あまりの非日常感に緊張していた私だったが、神様が気さくに話かけてくれるので徐々に緊張がほぐれてきた。すると神様はオオヌサ(よく神主さんがご祈祷のときに持ってる棒)を持って私の体にポンポンと当ててこう言った。

「あんた、肩どうしたの?」

私はまだ四十肩を打ち明ける前だった。神様に肩の状態を説明したところ、最も言われたくない言葉が私を襲った…

「これは治らない。生霊が入っているから

気付いたら私は言葉を発していた。

個人によると思うが、生き霊にとり憑かれるのは部屋にゴキブリが出るのと同じぐらい嫌だ。

しかしゴキブリなら退治しようと思えば出来るが、生き霊となれば手も足も出ない。生き霊の前では人は皆無力だ。

神様は憂いた目を私に向けて「それじゃあ何で貴方がこうなってしまったのか神様に聞いてみましょう。」と言い、太鼓を叩き始めた。どうやら神様は(神社に祀られている方の)神様の声を聞くことで悩みを解決してくれるらしく、いよいよ神様のお悩み相談の本領発揮という感じだ。

あまりにくだらない事を考えていると神様に勘付かれバチが当たりそうなので、私は出来るだけ心を無にする事にした。

数分後、対話が終わったのか神様が口を開いた

「職場であなたの事を恨んでいる女性がいます。そうですね…ショートカットの女性かな…?」

私はすぐに自分の事を恨んでいそうなショートカットの女性を思い浮かべた。

こんな事なら普段から愛想良く過ごしておけば良かった。

「その人を何とかするしかないけど、誰か分かる?」

私が、分からないというと「じゃあ祓うのは難しいね。今日は今ついてる邪気を払っておくけど、すぐもとに戻っちゃうよ」と言われお祓いをしてもらった。

ちなみに結婚ができるかどうか聞いてみたところ「こんな体じゃ結婚どころじゃないよ!」と言われてしまった。そんな…ナイトクルーズでプロポーズされたいのに。

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神様からの贈り物

お祓いが終了したあと、神様は自分の力でもお祓いが出来るようにお経と九字切りのやり方を書いた紙をくれた。何かモヤモヤするときや家に入る時にやりなさいとのことだった。

私は家に帰宅するなり早速お経を暗記し、九字切りをマスターした。こっちは早くオシャレして婚活したいんだ!!何でもするぞ!!!

それから私は何かとお経を唱えたり九字を切る女性となった。

それが意外と爽快で、ストレスが溜まった日なんかは大声で神様になりきったつもりで九字切りした後に「キェェイ!!」と叫んでみたりした。

そんな調子でストレスと上手く付き合う生活が1年続きお経がライフワークになった頃、私はある事に気付いた。

よく考えたら、お経と肩に何の関係性があるのだろうか。

それに気づいてから私はあまり自分でお祓いをしなくなったが、たまに大声で九字切りをしてストレスを解消している。

私の人生初の神様体験は結局よくわからないまま終了したが、日々は何となく楽しい物となり、神様からの贈り物は私にとってかけがえのない思い出となった。

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この記事を書いた人

ライター
天野アマゾネス

会社員とライターをやっていて、漫画も頑張り中です!!家族ネタ多めでエッセイを書いています。ほぼ毎週中華街に行ってます。