大切なおふたりに「スペシャルな時間と空間...
時には毎日の喧騒から離れて、最高のおもて...

イラストレーターとして活躍するYUKI KODAIRAさんが<大切な人との時間にそばに置きたいスイーツ>をイラストレーションと一緒にご紹介する連載「甘露なひととき」。vol.5は、メディアでもたびたび取り上げられる広島「立町カヌレ」のギフトセットです。1990年代後半に最初のブームが起こり、20年以上の時を経て今再びのカヌレブーム。「美味しいものはやっぱり美味しい」ということなんでしょうね。かつてのカヌレブーム当時の姿からは装いも新たに、華やかになったカヌレをイラストと文章でお楽しみ下さい。
みなさんこんにちは。イラストレーター のYUKI KODAIRAです。いつの間にか残暑よりも秋晴れという言葉が似合うようになってきましたね。晴れた日は、適度に涼しい絶好の散歩日和。公園でピクニック中のカップルを羨ましいなあと思いながらも、ひとり、池のほとりでベンチに座わりながら、ぼーっと自然に癒されるのが最近の楽しみです。
公園の木々には落ち葉となって散っていくものもあれば、花が咲いたり、太陽に向かって芽がにょきにょきと一生懸命伸びているものもあって、秋って寂しい季節だと思っていたけれどそれだけではないのかも、と元気が出てきました。
秋になるにつれ、日が暮れるのが早くなっていきますが、その分夜を楽しむ時間が増えてきました。リンリンと虫の声が聞こえるひんやりと静かな夜。好きな音楽を流しつつ、おつまみとともにお酒を嗜む時間は、大人ならではの夜の楽しみ方だなあと思います。
近ごろは、お酒とスイーツを楽しむ飲食店も増えてきましたよね。みんなでワイワイとお酒を楽しむのもいいけれど、美味しいお酒のおともに、ゆったりスイーツを嗜む時間にも幸せを感じます。お酒と一緒に楽しむスイーツはいつもよりも不思議と大人の味に感じて、ドリンク一つでスイーツの印象はこうも変わるのかと驚いてしまいます。この時ばかりは、色々と面倒なことを一時忘れて、まるで世界の中心は自分かのような優雅な気分に浸ることができます。
今回ご紹介する甘露は、「立町カヌレ」。カヌレはすでに日本でもお馴染みのフランス・ボルドー地方の伝統菓子です。カヌレはフランス語で「溝がついた」という意味だそう。(参照:コトバンク)
独特のフォルムはまるで、艶のある岩肌に、頭の部分がちょっと内側にへこんだ噴火口、そこを中心として裾野に向かって均等に入る溝。カヌレの形を見る度に、私は美しい山を眺めているような気持ちになります。
ラム酒、卵、バター、バニラが練りこまれた生地は、外はカリッと、中はしっとりぎゅっと密度が高く、なかなかの食べ応え!ちょっと大人の魅惑的なお菓子です。私もパティスリーやパン屋さんでみかけると、ついつい買ってしまいます。
上に飾られたトッピングがとにかく華やか!ギフトとしてはもちろん、自分へのご褒美として食べてもテンションが上がりそうですね。
「立町カヌレ」は、行列ができる広島の人気カヌレ専門店。オーソドックスなカヌレの他に、様々な種類のカヌレがあって、それがどれもめちゃめちゃかわいいのです。この「立町カヌレのカヌレギフトセット」は15個入りで、ノーマルなカヌレとショコラ、シトロン、キャラメル、アーモンド、抹茶カヌレ、ブルーベリーの全部で7種類のカヌレが入っています。
それぞれのカヌレは、上品なダークブラウンのベースに、頂上を彩るトッピングが麗しく飾られており、どれもとてもお洒落さんです。広島の人気カヌレがおうちで食べられるなんて、改めてインターネットの存在に感謝です。
商品の購入は、「立町カヌレ」を運営する洋菓子カスターニャさんのサイトから注文できます。必要に応じて、有料で包装と熨斗をつけることが可能ですので、ギフトとしての活用もバッチリですね。支払い方法は、クレジット決済やコンビニ後払い、銀行振り込み、代引きなど色々と選択ができます。お届け日と時間の希望を注文画面で選択できるため、お菓子が必要な日程が決まっている場合は便利ですね。
商品は冷凍で届くということで、冷凍の焼き菓子を注文したことがなかった私はドキドキしながら商品を注文しました。どんな感じで届くのだろうか、焼いてあるのに、冷凍!とはどんな感じなのかしら…?
ついにカヌレが指定した希望日に無事届きました!
ロゴ入りの丸い紙製の箱は、シンプルだけど高級ブティックのギフトボックスのような上品さがあり、中身を想像してドキドキしてしまいます。その蓋を開けると、素敵な装いのカヌレたちがまるでお花のように華やかで、彩り鮮やかなフラワーアレンジメントのようです!スイーツは写真もいいけどやっぱり実物で見るのが一番かわいいですね。
カヌレを彩るトッピングには、心の中の乙女がここぞとばかりに、「かわいい〜!」と叫びだす、グッとくる愛くるしさがあります。大きさは、直径が約4cmくらいと程よく食べ応えがありそう!
冷凍で届いたカヌレは冷蔵庫の中でゆっくりと解凍します。解凍をするとラム酒 とバニラ、バターがまざった良い香りがしてきました。そのままでもokですが、トースターで数分温めて食べた方がより美味しいとのことなので、2分ほど温めていただきました。トースターで温めるとさらに香りが高まり、フワッと焼き菓子特有の甘い香りが部屋中に広がり、家の中が菓子工房になったかのようで、幸せな気持ちになりました。
温めたカヌレをすぐに食べてもいいけれど、私は熱々のカヌレをちょっと冷まして、程よい温かさになってからいただくのが好みでした。冷凍ということで、水っぽくならないかしらと不安に思っておりましたが、そんな心配は無用でした。
それでは7種類のカヌレを味わっていきます。
まずはプレーンのカヌレから。バニラとラムの風味がしっとりと、香り高い王道の味わいです。中の生地の密度も高く一口一口ゆっくりと味わいたくなります。
シトロンは広島県産のレモンが使われており、上に乗ったレモンピールのザクザクとした皮の苦みと酸っぱさが口の中に広がる爽やかな後味。
アーモンドは、ナッツの香ばしさとカラメルのほろ苦さが醸し出す深い味わい。
ブルーベリーは広島県産ブルーベリーの酸味と香りがふんわりと鼻に広がります。
ショコラはラム酒の風味が濃厚!トースターで温めると、カヌレの上のチョコレートが溶けてフォンダンショコラのような個性的な味わい方が楽しめます。
抹茶は、甘いのかしらと思いきや、抹茶パウダーの苦味がしっかり効いていました。上に乗った小豆と生地の甘さとの駆け引きが絶妙です。
キャラメルは、とろっとしたコクのあるキャラメルソースのほろ苦さと甘みが濃厚な味わいです。
どれもカヌレらしい甘さの生地に、素材の風味が生きる自然な甘さのトッピングが乗っているので、フレーバーの違いをしっかり感じられて食べ比べが楽しい!抹茶やキャラメル、ショコラは苦味や渋みもしっかり出ているので、ほろ苦いのが好みな大人の味覚にもぴったりです。
また、トースターで温めてから食べると、カヌレの上のくぼみに入ったペーストが溶けて、いつも食べているカヌレとは違った味わいに出会うことができました。
カヌレは、ワインの産地として有名なボルドー地方発祥のお菓子ですが、カヌレの起源もボルドーワインと関係があるのだそう。ワインを醸造する過程で、ワインのオリを取り除くために卵白が使われていて、その際に余った卵黄の活用法として生まれたのがカヌレなんだとか。
meechoo編集部さんからも事前にカヌレって赤ワインに合うんですよ!という情報をゲットした私は、これはボルドーの赤ワインと一緒に味わうしかないと意気込み、近所のスーパーマーケットへ。買いに行く途中、気になるお値段はいかほどかしら、そもそもスーパーに売っているのかしらと、財布を握る手が若干震えておりましたが、高級なワインもあるものの、1,000円台で手に入るものもたくさんありました。
ボルドーワインは、複数の品種のワインをブレンドして作られる特徴があるため、自分の好みに合う香りや味のワインを探すのは、宝探しのようでなかなか楽しい時間でした。今回は、カヌレにバニラが使われているということもあり、散々迷った結果、バニラの香りがするというワインをチョイスしてみました。
実際にワインと一緒にいただいていてみると、ラム酒が染み込んだカヌレの濃厚な生地は、渋みや酸味のある赤ワインの濃厚さとよく合います。濃いものに濃いものを重ねていく。しつこくなってしまいそうだけど、カヌレの甘さと赤ワインの渋み、互いに違う種類の濃厚さだからこそ、互いを補完し合うのでしょうか。
カヌレに赤ワイン、なかなか良いです。ワインがどんどん進んでしまいます。この組み合わせを知っている私は、なんだかすごくいい歳の重ね方をしているんじゃないか?と、酔っ払いは思ったのでした。
こちらは京都・丹波の赤ワイン。ほんのりバニラが香り渋みよりもやや甘みを感じるミディアムボディとなっています。ワインとしては比較的手頃な価格である点も◎!
ラム酒が生地に練りこまれた少し大人のお菓子・カヌレは、赤ワインとの相性がバッチリ。甘いものとお酒が好きが方には一度この組み合わせを試していただきたいと思います。
これから長くなってくる秋の夜。夜風を感じながらまったりと過ごすおともに、「まだ飲むの?しょうがないなあ」と言いながらも、カヌレがきっとやさしく寄り添ってくれるはず。外で飲む機会が減っていますが、テレビも消してスマートフォンも机に置いて、音楽でもかけながらゆっくり物思いにふけり、そこにおしゃれなカヌレとワインがあれば、まるで自分のリビングが小洒落たバーになったかのようです。
また、今年のボジョレヌーボー解禁日は、11月17日(木)とのこと。ボジョレヌーボーはフランスのボジョレー地方で作られる新酒のため、ボルドー地方とは違うけれど、カヌレをおともに乾杯するのも楽しそうです。生ハムやチーズに加えて、今年はそこにカヌレを添えてみてはいかがでしょうか。
立町カヌレのカヌレギフトセットには、ノーマルなカヌレが3つ、その他のフレーバーが2つずつの合計で15個入り。いろんな味を一箱で味わえるので、ホームパーティーにぴったりです。パーティーへお呼ばれされた時の手土産や、ひとり一品持ち寄り!のような食事会にも、気の効いたグルメとして喜ばれると思います。
華やかなカヌレたちは、蓋を開けた瞬間からテーブルの上を鮮やかに彩ります。どれを食べようかとみんなでわいわい選ぶ時間もきっと楽しいはず。見た目もかわいくて美味しいカヌレは、パーティーの話題も提供してくれそうです。
「立町カヌレ」は、まるでフラワーアレンジメントのように華やかな見た目。プレゼントされたら花束をもらった時のような喜びを感じるスイーツだと私は思いました。スイーツ好きな人へ、花束の代わりにカヌレをプレゼントするのも素敵ですよね。かわいいだけじゃなく、シックなダークブラウンをベースとしたカヌレには上品さも漂っていて、大人女子もきっと気に入ってくれるはず。ラム酒が効いた生地に加えて、抹茶やショコラ、キャラメルなどはほろ苦さも感じるので、大人の味覚にもぴったりです。
冷凍だから自分が食べたい分だけを解凍して食べられ、急いで食べる必要がないのも贈りものとして良い点だと思います。
今日はどれにしようかな?一日の終わりにかわいいカヌレを味わう時間は、疲れを癒してくれるのではないでしょうか。
ちょっと大人のスイーツ「カヌレ」。秋の夜長のおともにいかがでしょうか。
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